家庭内別居は、離婚の理由になる? |熊本の離婚・慰謝料請求に強い女性弁護士

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家庭内別居は、離婚の理由になる?

一般的には、家庭内別居を理由に離婚判決を得ることは難しいです。
 
長年別居が続いている場合、結婚生活は完全に破綻してしまっており、修復できる見込みもないとして、裁判で離婚が認められることはあります。
「何年も別居していれば離婚ができる(らしい)」ということは、法律関係者でなくともご存知の方は多いようです。
 
「うちはずっと家庭内別居が続いている。家庭内別居でも『別居』でしょう?離婚できますよね?」といったご相談を受けることもあります。
しかし、「家庭内別居」で「夫婦としての関係が完全に破綻していて、修復の見込みもない」と裁判所に認めてもらい、離婚判決を得ることは、通常困難です。
 
「家庭内別居」といっても、その内実は様々です。
 
会話は全くないし、一緒に食事をとることもないが、妻は夫の食事を作ったり夫の衣類を洗濯するなど夫のための家事をしていて、夫も妻のための諸経費を一部負担している(扶養をしている)、そして家の外では「夫婦」として振る舞い、第三者の前ではそれなりに良好な関係を演じている…といった場合、夫婦としての関わりが全く0とは言えません。
第三者からは「夫婦であることに変わりはない」と見えます。

 
特に小さいお子さんがいて同居している場合は、子供の親どうしとして、一つの家庭を維持する大人どうしとして、日頃の生活でも経済的にも一定の協力関係があるでしょう。
お子さんに関わることでは「夫婦関係は終わっていますが、子供の父親と母親です」というよりも「夫婦であり子供のパパとママ」として振る舞うことになるかと思います
お互いの親族の前でも同様かもしれません。
 
こういった場合、たとえ夫婦間の気持ちが覚めてしまっているとしても、夫婦として協力しながら生活している実態があるため、「結婚生活が完全に壊れてしまっている」とは言えません。
 
何らかの事情(たとえば、二人で住宅ローンを借りて家を購入しており、どちらか一人で返済を続けていくこともできないし、今売っても多額の負債が残るので、当面は一緒に住んで住宅ローンを返済するしかない)で別居はできないが、家計は全く別、配偶者のための家事も全くしないといったルームシェアのような関係であり、夫婦の双方が「私たちはもう夫婦ではない」と合意していれば、家庭内別居であっても「別居と同然」、「夫婦としての関係は破綻している」と判断される可能性はあるかと思います。
しかし、夫婦間で特に話し合いも合意もなく、なんとなく次第に「これは、ルームシェアと変わらないのでは?」という生活になっていった場合、「夫婦としての関係は破綻した」と言えるのかどうかはわかりません。
たとえば、夫は「破綻だ」と思っていても、妻は「夫婦としての在り方が変わっただけ。
私たちが夫婦であり、協力し合う関係であることに変わりはない」と思っているかもしれません。

 
いずれにしても、離婚はせず、同居も解消せずにいるといいうことは、一般的に言っても二人の間に何らかの協力関係があり、濃淡はあるかもしれませんが「離婚」を成立させることをよしとしない事情や思惑が、双方にあるのでしょうし、実際のところ、ある程度の協力関係が存在するケースが多いだろうと思います。
 
そのため、どちらか一方が家庭内別居を理由に離婚を求めても、他方は受け入れない可能性が大ですし、一定の協力関係があるならば、裁判所としても「離婚事由あり」とは認めにくいでしょう。

この記事の作成者

弁護士髙木 紀子(たかぎ のりこ)

熊本県弁護士会所属 56期

依頼された事件を単に処理するだけではなく、依頼してくださる「あなた」の幸せを実現します! 「トラブル」の相手はご本人にとって非常に身近な人です。家族・親族が相手となると、どうしても「気持ち」に関わるところが前面に出てきます。でも、こういったお気持ちに関することを無視してしまうと、ご自身がどうしたいか、どんな形になれば「解決した」、「安心した」と言えるのかも見えず、法律上の問題を解決することもできなくなってしまいます。「この人になら、自分の気持ちを話してもいいかな」、「この人になら、『こうして欲しい』、『そのやり方はちょっと違うような気がする』と遠慮なく言えそうだな」、「わからないことがあっても、遠慮せず質問ができそうだな」と感じていただき、問題を解決する「心強い味方」になることができればと思っています。

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