養育費の支払はいつまで?「18歳で成人」となった影響は? |熊本の離婚・慰謝料請求に強い女性弁護士

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養育費の支払はいつまで?「18歳で成人」となった影響は?

基本的に、子供が親の扶養を必要とする間です。
成年年齢が18歳となったことの影響は、今のところありません。
 

1 よくある取り決めの内容

以下が一般的です。
 

  • 高校卒業まで(高校を卒業する年度の3月まで)
  • 20歳まで(20歳の誕生日を迎える月まで)
  • 大学卒業まで(大学を卒業する年度の3月まで)

 
なお、子供が大学院まで進むことが具体的に想定されているような場合、「大学院の博士課程を終えるまで」といった取り決めをすることも考えられます。
ただ、大学院となると、子供は既に成人しており、一般的には就労して独り立ちしていておかしくない年齢でもあります。
そのため、実際に子供が大学院に進むころには、「(元)親権者に養育費を支払う」ではなく、「子供本人が直接相談や交渉をして学費や生活費を負担してもらう」という方法になることも考えられます。
 
なお、取り決めた期限よりも前に子供が働き出し、経済的に独り立ちした場合、子供はもう親の扶養を必要としていませんから、養育費の支払義務はなくなります。
 
たとえば、養育費の支払を「20歳まで」と約束していても、子供が高校卒業後に正社員として就職し、自分の生活費を賄える程度の収入を得られるようになった場合、就職後は養育費の支払義務もありません。
 
ただ、就職にあたり、スーツ等をそろえたり、運転免許を取得したりと特別な支出が発生する場合、月々の養育費とは別に、負担を求める(求められる)といったことはあるかと思います。
 

2 合意ができない場合(裁判所で決める場合)はいつまで?

一般的には「20歳まで」です。
ただ、子供が既に大学に進学しているとか、少なくとも同居中は親の双方が子供の大学進学を予定しており、子供も受験の準備をしているといった場合には、「大学卒業まで」となることも考えられます。
 

3 成年年齢が18歳となったことで、養育費の支払も18歳までになる?

子供が成人していても、まだ学生で、アルバイトなどはしていても独り立ちできるほどの収入は得ていないという間は、基本的に親に扶養義務があり、養育費の支払が必要です(※子供が何歳になっても、収入が乏しければいつまでも養育費が発生するということではありません)。
 
高校卒業後も、大学や専門学校などに進学する子は増えていますし、18歳の誕生日を迎えた時点では、多くの子がまだ高校生です。
そのため、「18歳になれば成人なので、この時点で養育費の支払義務がなくなる」という考え方にはなっていません。
 
したがって、令和4年3月31日よりも前に、養育費を「20歳まで」と取り決めていた場合、「成人するまでは養育費を支払うという趣旨の約束だった。
成年年齢が18歳になったので、養育費の支払は18歳まで」と主張しても、この主張は裁判所では通りません。

 
また、令和4年4月1日以降に裁判所で養育費を取り決めたり、審判や判決で養育費が決まる場合にも、「これまでは20歳までとしていたが、成年年齢が18歳になったので、18歳まで」とはなっていません。
ただ、今後、養育費の取り決め方等に何らかの影響が出てくることはあるかもしれません。

この記事の作成者

弁護士髙木 紀子(たかぎ のりこ)

熊本県弁護士会所属 56期

依頼された事件を単に処理するだけではなく、依頼してくださる「あなた」の幸せを実現します! 「トラブル」の相手はご本人にとって非常に身近な人です。家族・親族が相手となると、どうしても「気持ち」に関わるところが前面に出てきます。でも、こういったお気持ちに関することを無視してしまうと、ご自身がどうしたいか、どんな形になれば「解決した」、「安心した」と言えるのかも見えず、法律上の問題を解決することもできなくなってしまいます。「この人になら、自分の気持ちを話してもいいかな」、「この人になら、『こうして欲しい』、『そのやり方はちょっと違うような気がする』と遠慮なく言えそうだな」、「わからないことがあっても、遠慮せず質問ができそうだな」と感じていただき、問題を解決する「心強い味方」になることができればと思っています。

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