離婚を求められたが、「有責配偶者からの離婚請求は認められない」として勝訴した事例(離婚&円満調停→離婚訴訟) |熊本の離婚・慰謝料請求に強い女性弁護士

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離婚を求められたが、「有責配偶者からの離婚請求は認められない」として勝訴した事例(離婚&円満調停→離婚訴訟)

  • 性別:女性
  • 依頼者情報:20代

背景

Xさん(女性)と夫との間にはまだ2歳のお子さんがいましたが、夫はある日突然、家を出て行きました。
Xさんは、これまでの結婚生活を振り返り、「私があの時こう言ったのが夫は嫌だったのかもしれない」等と「悪かったところ探し」をしては自分を責めていたのですが、あるきっかけから偶然、夫が以前から(家を出る前から)浮気をしていたことがわかりました。
それでも、Xさんは夫を嫌いになれず、「私にも悪いところがあった。今回のことで色々と振り返り反省もしている。子供のためにも、浮気相手とは別れて戻ってきて欲しい」と伝えたのですが、夫は調停を申し立てて離婚を求めてきました。

相談内容と弁護士対応

Xさんから依頼を受けた後、こちらからは「円満調停」の申立を行いました。
調停では、Xさんは「夫として、子供の父親として今も愛している。家族3人で暮らしたい。そのためにできることは何でもしたい」とご自身の心情を伝え、私からは代理人として「夫の不貞については明らかな証拠があり、時期的にも、別居の原因が夫の不貞にあることは明らか。したがって、もし夫があくまで離婚を求め、離婚訴訟を提起したとしても、『有責配偶者からの離婚請求』であるから離婚は認められない」と主張をし、その内容の主張書面や裏付けとなる資料を提出しました。このまま引き続き離婚訴訟となれば、精神的に既に疲弊しているXさんがさらに参ってしまうと思われたため、「しばらくの間、別居する」という提案も行いました。
しかし、夫は「とにかく離婚したい」と譲らなかったため、離婚調停も円満調停も不成立となり、その後すぐに離婚訴訟の提起がありました。
この訴訟で夫は、「たしかに別の女性と交際はしているが、その前から夫婦の関係は壊れていたので、不貞ではない」、「女性との関係が原因で家を出たわけではない」と主張しました。しかし、裁判所は「夫の不貞」を認定し、「Xさんと夫が再び夫婦としてやり直せる見込みはないだろうが、夫婦関係が壊れてしまった主な原因は夫の不貞にあるので、夫からの離婚請求は認められない」という判決が出ました。

結果

「有責配偶者からの離婚請求は認められない」という判例があります。
浮気や暴力など「悪いこと」、「配偶者を傷つけるようなこと」をした側から離婚を求めても、配偶者が「離婚したくない」と拒む場合には、離婚は認めませんというものです。
なお、「有責」である配偶者からの離婚請求が100%認められないわけではなく、以下の三つの事情を考慮の上で「離婚を認める」判決が出る可能性はあります。
①同居期間と比較して別居期間が相当長い
②夫婦の間に未成熟子がいない
③離婚によって配偶者がひどい苦境に陥ることがない

このケースでは、「夫の不貞」についてはっきりした証拠があったため、「夫が有責配偶者であること」は明らかでした。
加えて、別居期間はまだ短く、幼いお子さんもいました。また、夫が浮気をし、家を出て離婚を強く求めてきたことに対し、Xさんはずっと苦しみ、それでもなお「夫に戻ってきて欲しい」と望んでいました。
そのため、離婚を認める判決が出ることは「まずない」ケースだったと言えますが、ご家族の支えがなければ、Xさんとしても訴訟を戦い抜くことは難しく、どの時点かで気持ちが折れて、「離婚を受け入れる」内容での和解に至っていた可能性もあります。夫側は、その点に賭けていたのかもしれません。

配偶者の態度が突然変わり、家を出て離婚を求められた…という場合、その裏に「不貞」があるケースは多いです。「家を出る前」ではなく「直後」のものでも証拠になるので、不貞の疑いが濃い場合は、あきらめずに調査をしてみてもよいかと思います。

※実際の事例そのままではなく、複数の事例を組み合わせたり、当事者の方の年齢その他を一部変更しています

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