Xさん(女性)は、婚活をする中である男性(Y)と出会いました。XさんはYに好意を抱くようになりましたが、「結婚を見据えた真剣なお付き合い」を望んでいたため、Yにその気持ちを伝え、Yが「自分も同じ気持ちだし、勿論未婚だ」と答えたため、安心して交際を始めました。Yは一人暮らしで、部屋に女性の痕跡は全くなく、夜や週末、長期の休みなどもXさんと一緒に過ごしていました。
交際からしばらくして、Xさんは妊娠したのですが、これを伝えるとYの様子がおかしくなり、実は既婚者(単身赴任中)であることが初めてわかりました。
Xさんは、お子さんを無事出産された後、当事務所にお越しになり、Yに認知・養育費・慰謝料を求めたいと依頼をされました。
「独身」と騙されて交際し、妊娠した女性が、認知・養育費・慰謝料を求めた件(認知調停・認知訴訟・養育費調停・養育費審判・慰謝料請求訴訟)
認知離婚とお金(離婚慰謝料)養育費- 性別:女性
- 依頼者情報:20代
背景
相談内容と弁護士対応
Yの対応は非常に不誠実なものでしたが、Xさんの「子供のために、できる限りのことをする」というお気持ちはとても強かったです。Yから理不尽な主張が出る度に傷つき、動揺されたと思いますが、諦めることなく対応されました。
こうして、まずは認知の判決が出ました。
判決が出るとすぐに養育費調停の申立を行いました。将来の養育費だけでなく、お子さんが生まれた月まで遡って養育費を支払うよう求めたところ、こちらが求めたとおりの内容で養育費を支払いなさいという審判が出ました。
これと並行して、「自分は独身で、結婚の意思がある」と騙してXさんと交際したことについて、慰謝料請求訴訟も行いました。Yは勿論争いましたが、裁判所からYに「あなたの主張は認められませんよ」と強い説得があり、最終的にはYがXさんに150万円を支払う内容の和解が成立しました。
結果
既婚者には配偶者がおり、配偶者以外の異性と結婚することはできません。そのため、原則として、既婚者と結婚の約束をしても、法律はその約束(婚約)を保護することができません。
しかし、Xさんには「既婚者と交際する」つもりなど全くなく、Yが既婚者だとわからなかったのも「無理はない」という状況でもありました。そのため、「既婚者だと知っていたら絶対に交際しなかったのに、Yは『自分は独身で結婚の意思もある』と嘘をついてXさんと交際し、関係をもった」ことが不法行為であるとして慰謝料を請求し、裁判所もこの主張を支持しました。
認知は、調停をしても訴訟をしてもYからの反応がなく、DNA鑑定を行うことはできませんでしたが、Xさんが妊娠した当時のYとの交際の状況について陳述書を提出し、尋問が行われた後、認知の判決が出ました。
養育費についても、Yは(調停には応じたものの)収入に関する資料は出そうとしなかったため、Yの勤務先への調査嘱託を行いました。これによって、Yの収入を明らかにすることができました。
かなり時間がかかりましたし、裁判所でもいくつもの事件を経ることになりましたが、Xさんの主張は全て認められました。
※実際の事例そのままではなく、複数の事例を組み合わせたり、当事者の方の年齢その他を一部変更しています
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