不貞の慰謝料請求には、どんな証拠が必要?
不貞相手への慰謝料不貞の慰謝料請求でよく目にする証拠としては、以下のようなものがあります。
- セックス等を撮影した動画や写真(配偶者がPCや携帯に保存していたり、配偶者と浮気相手がメールやLINEなどでやり取りしていたものを入手)
- 配偶者と不貞相手のメールやLINEのやり取り(過去に行ったセックス等を話題にしているなど、この二人が不貞関係にあることがわかる内容のもの)
- 配偶者(夫)が不貞相手(女性)の産んだ子供を認知したことが確認できる戸籍謄本
- 配偶者と不貞相手が二人でラブホテルに入っていくところ、あるいはラブホテルから出てくるところを撮影した写真や動画
- 配偶者と不貞相手が、不貞相手の家で二人きりで過ごしていたことを確認できる写真や動画
二人の人間が性的な関係を持つ場合、その現場は密室であることが多く、したがって「セックスをしている現場の写真や動画」のように直接的な証拠を入手することは困難(ほぼ不可能)です。
ただ、裁判所では、「ラブホテルに二人で入った」、「Aさん(女性)が一人で住む部屋にBさん(男性)が入っていき、3時間ほど出てこなかった」といった事実について立証ができれば、性的な関係を持ったことについて直接的な証拠(その現場の写真、動画など)がなくても、「不貞」を認定します。
裁判所は、「AさんとBさんがこういった行動(①)をとったのであれば、二人は当然、セックスなど性的な関係(②)を持ったはず」というように考えるので、②について直接の証明ができなくても、①を証明できれば、基本的には②を証明できたことになるのです。
このように、裁判所は「二人でラブホテルに入った=不貞あり」といった認定をするので、「ラブホテルの中で実際に何をしていたのか」は問題にしません。
「たしかに二人でラブホテルに入り、2時間ほど二人きりで過ごしたが、この間ずっと映画を観ていた。
互いの身体には触れてもいない」、「第三者に聞かれたくない内容の相談があったので、ホテルに入った」等の反論が出ることもありますが、基本的に、裁判所はこういった反論を認めません。