離婚と子ども、親権は母親が有利?
離婚と子ども「日頃から子育てをメインで担ってきた親=母親」であることが多いために、「親権者=母親」と判断されやすい傾向はあります。
親権を判断する際は、以下のようなことが基準となります。
- ① これまでの生活で主に子育てをしていた親が、今後も子を育てる方がよい
- ② 子供のためには、生活環境(住まいや学校等)がなるべく変わらない方がよい
- ③ 子供が複数いる場合、兄弟姉妹はなるべく引き離すべきではない
- ④ 子供本人の利益が尊重されるべき
特にお子さんの年齢が低い場合、「親権者は母親」と判断される可能性は高いでしょう。
しかし、「母親であれば無条件に親権者として肯定される」わけではありません。
多くの家庭では、「子育てや母親がメイン」で行われています。
母親が産休や育休を取得していたり、出産にあたり仕事を辞めている場合、この期間は特に、子育てをする時間は母親の方が圧倒的に長い(というのが一般的)でしょう。
子供が急に熱を出して保育園から連絡があった場合なども、「仕事を調整して駆けつけるのは基本的に母親」という家庭は、今でもやはり多いようです。
そして、これまでメインとなって子育てをしてきた親は、子供の健康状態や性格、生活環境などをより把握しているはずです。
特に子供が乳幼児のうちは、日頃子供の世話をする中で身につけたスキルや知識が、今後の子育てのためにも必須と言えます。
母子手帳や保育園の連絡帳なども「主に記入をしていたのは母親」であることが多いです。
とりわけ、子供がまだ赤ちゃんで、母乳で育てており、ミルクを受け付けないといった場合には、母乳をあげている母親から引き離されることは、子供にとってまさに死活問題です。
さらに、日頃から子供と接し、コミュニケーションをとっている親は、子供との心情的な距離も近いため、子供にとってはより強い愛着の対象となることが多いでしょう。
特に幼い子供などは、不安を感じた際などにぴったりくっつく様子を見せたりします。
子供は、親の別居や離婚、これに伴う生活環境の変化により不安定になることも多いので、子供の些細な変化や異変を敏感に察し、適切な対応ができ、子供にとっても「一緒にいるだけで安心できる」親が側にいることは、子供の安心や安全に繋がります。
多くのケースでは「これまでメインで子育てをしてきた親=母親」であるために、①や④の点から「親権者は母親」と判断される傾向が強まります。
「これまでメインで子育てをしてきた親であれば、子供のことをより把握しており、子供との精神的な結びつきも強いだろう」と考えられるため、「子供のためには、そのような親が今後も子供と一緒に住み、育てていく方がよいだろう」という考え方です。
重視されるのは日頃の育児や子供との関わりであり、単純に「母親が有利」、「女性が得をするようにできている」ということではありません。