1 交渉を有利に進めることができる
弁護士は、代理人として裁判所での手続を経験していますし、過去の判例や最近の裁判の傾向、法律の改正や新しくできた制度など、随時アップデートしています。
「私は裁判がしたいわけではないので、裁判所での手続のことは聞きたくない」とおっしゃる方も多いですが、裁判所外での交渉であっても、「裁判所はどのように判断するか?」が大きな基準となることに変わりはありません。
また、当事者どうしの話し合いでは、どうしても従前の力関係が持ち込まれたり、何らか非のある側が何も言えなくなってしまったり、互いに感情的になってしまいがちです。
弁護士の代理人であれば、「裁判所の調停や審判、裁判となった場合、どのような結論が出るか(出そうか)」を指針としながら、話し合いの道筋を整え、しかるべき主張をし、相手方から理不尽な請求が出た場合にはこれを拒むといったことが可能です。
また、相手方と「まともな交渉ができない」といった場合、「裁判所での手続に移った方がよいかどうか?どちらの方が有利か?」の判断もできます。
2 相手に直接対応する必要がない
ご依頼をお受けした場合、相手方への対応は、全て弁護士が行います。
そのため、相手方から直接連絡を受けたり、会話をすることはありません。
「当事者どうしで直接話し合いたい」と求められても、これに応じる必要はありません。
代理人宛に「代理人が同席してもいいので、直接会って話したい」と求められるケースもありますが、代理人がこれに応じることはありません。
なお、「配偶者本人ではなく、その両親から連絡があるかもしれない」、「職場に押しかけてくるかもしれない」、「私が対応しなければ、私の親や兄弟に連絡をしてくるかもしれない」といったご懸念のある場合は、ご依頼の際におっしゃっていただければ、対応できます。
3 自分の主張や希望を代わりに言ってもらえる
特に夫婦、元夫婦の関係では、力関係ができてしまっていて、弱い側からは自分の希望や要求を口にすることさえ難しい、怖いということはよくあります。
そうでなくても、「図々しいと思われるのではないか」、「請求をしても即拒まれるのではないか」と心配になったり、「非があるのは自分なのに、そんな立場から要求を出してもよいものか」と不安になることもあるかと思います。
弁護士であれば、これまでの経験や判例などを踏まえて「裁判になった場合、この請求は認められるか?」、「この状況で、相手方がこの要求を受け入れる可能性はあるか?」といったことを検討し、見通しを立てながら、「どんな請求をするか」、「相手からの請求にどう答えるか」を判断することができます。
また、代理人となった弁護士にとって相手方は他人ですし、相手方との交渉は仕事ですから、専門家としての立場から、「裁判になれば、あなたの請求は通りませんよ」といったことをはっきり伝えることが可能です。
また、一般的によく「弁護士に依頼する」、「裁判をする」という言葉が脅しのように使われることもありますが、弁護士にこのような「脅し」は効きません。
4 精神的な負担を軽減できる
「誰にも言えない。相談できない」と一人で抱えていた問題や悩みを打ち明けられただけでも、「気持ちが楽になった」とおっしゃる方はたくさんいます。
依頼をされたからといって、問題を全く忘れて晴れやかに生活することは難しいかもしれませんが、自分で直接相手方に対応する必要がない、一人で考えて決める必要がない、専門的なアドバイスを受けながら進めることができるということで、精神的なご負担はかなり軽減できるはずです。
5 裁判所での手続を代理で行ってもらえる
弁護士であれば、裁判所での手続にも対応ができます。
「交渉はできますが、調停や審判、裁判の手続で代理はできません」、「書類は代わりに作成できますが、代理人として裁判所での手続に対応することはできないので、裁判所にはあなた自身が行ってください」ということは起こりません。
特に訴訟になった場合は、主張を書面で提出し、主張を裏付ける証拠もやはり文書で提出する必要があります。
「裁判所で直接、裁判官に説明する」だけでは、十分な訴訟活動はできません。
「できれば裁判所での手続はしたくない」と思われる方が多いですが、相手のあることですから、裁判所外での交渉では折り合いがつかなかったり、相手方が理不尽な主張を繰り返して解決の糸口が全く見えないということもあります。
こういった場合も想定して、交渉の段階から弁護士に依頼されることがお勧めです。
6 秘密が漏れない
離婚や不貞の問題は、とてもプライベートな事柄であり、親兄弟や友人など親しい関係の方であっても(あるいは、親しい間柄だからこそ)相談できないと悩まれている方はたくさんいらっしゃいます。
「恥ずかしい」、「こんなことは絶対に知られたくない」というお気持ちも、あるかもしれません。
弁護士は守秘義務があるので、ご相談の内容や、ご依頼を受けた案件に関わることを口外することはできません。
7 後のトラブルを防ぐことができる
相手方と合意ができた場合、合意した内容を合意書や示談書、公正証書、調停調書といった文書にします。
この際、「AともBともとれる」といった曖昧な記載があると、Aのつもりで約束したのに、後になって相手方から「約束内容はBだ」と主張されるリスクがあります。
具体的な記載のしかた、どいうった条項を入れるか(入れないか)が、将来起こるかもしれない紛争の予防やリスクの低減に繋がり得るため、「この約束をしておくと、この点からは依頼者にとって有利だが、反面、こういったリスクもある」、「今後のためには、こういった条項も入れておいた方がよい」、「相手方から、この条項を入れて欲しいと求められているが、依頼者にとって特にデメリットはない」といったことを検討し、調整することは、とても重要です。
弁護士であれば、これまでの経験や知識を踏まえ、こちらについても対応が可能です。